5S改善事例:治具置き場の見直し(片付け時間短縮)

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
片付けるのが手間
(どうなった)
新しく置き場所を変え、置くようにした
往復70歩=70秒=70円
70円×1/D×1/M=70円
年間840円の削減

【専門家コメント】

改善前は作業終了後に治具を片付ける際、
直す場所が遠かったため片付けるのが手間な状態でした。
そこで機械の傍に容器を新たに設置し、その中に
治具を直すように置き場所を変更することによって、
片付けの移動距離を大幅に短縮し作業効率を
向上させた改善ですね。

とても良い視点での整頓改善、
ありがとうございます。

必要なモノを必要な場所に配置し
ムダな動作を減らす工夫は
作業の効率化に直結しますし、
他の作業者にとっても
非常にありがたい取り組みです。

次にぜひ考えていただきたいのは
その容器の中が乱れたりしないよう
「どう並べて置くか」のルールです。

治具の種類や形状が複数あるなら
仕切りやラベル表示をすることで
誰が見てもわかる状態になります。

それによって乱れを防ぐだけでなく
次に使う時の取り出しやすさも
さらに向上させることができます。

清潔としつけの視点で
仕組み化できるとより良いですね。

次なる改善報告も楽しみにしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
治具の片付けにかかる移動のムダが大幅に削減され、作業効率が確実に向上しています。また、他の作業者にとっても使いやすい動線になることで、現場全体への波及効果も大きいと評価できます。A評価とします。


(2)改善の独自性:B(12点)

理由:
“片付け先を近くに設ける”という発想自体はよくある整頓手法ですが、「機械のすぐ傍」「治具に特化した容器の設置」など、実際の作業状況に即した工夫がなされているため、現場にフィットした改善としてB評価とします。


(3)改善の難易度:C(8点)

理由:
容器の選定や設置自体は比較的短時間(15〜30分以内)で実施可能と思われます。複雑な加工や設計も不要であったと判断し、C評価とします。


(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
容器を設けることで片付け忘れや放置を防ぐ効果はありますが、中が乱れるリスク(治具が混在・重なってしまうなど)に対する対策はまだ未整備と判断します。仕切りやラベル表示などが加われば、再発防止としてB~A評価に上がる可能性ありです。


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
現時点では「そこに片付ける」という改善は実行されたが、他の人も確実に守れるルールや仕組みが定着しているかは不明です。定位置・ラベル・使用ルールの明文化や、全員周知があれば習慣化レベルが向上します。


🧾 総合評価

  • 合計点数:52点
  • 5Sレベル:B

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 治具/刃具

🔍 アドバイス:
今回の改善は、「ムダな動きをなくす」「使ったモノをすぐ戻せる」5Sの基本がしっかり押さえられた非常に良い取り組みです。次のステップとして以下のような工夫を検討してみてください:

  • 容器内に仕切りをつけて治具を分類する
  • 治具ごとのラベル表示や番号を貼る
  • 「治具回収BOX」など明示的なネーミング表示
  • 使用頻度別に配置場所を分ける
  • 定期点検や清掃ルールの設定

これらにより、「誰が使っても整った状態で使える」習慣・清潔レベルの高い改善へと発展します。

次なる改善報告も楽しみにお待ちしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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