5S改善事例:休務カード課別ファイル整頓

【結果/効果】

(なにが)
探すムダが
(どうなった)
1回の平均 10秒 ⇒ 5秒〈5秒削減〉
月 5秒×6回=30秒
年 30秒×12=360円削減

【専門家コメント】 

男女別にクリップで分けていた休務カードが
無造作に保管されていた状態から、
課別にファイルで分類・整頓した改善ですね!

これにより、有給取得などの手続き時に
探すムダがなくなり、作業効率が大きく向上したと
感じられる素晴らしい改善だと思います。
まずはこの問題点に気づき、対処してくれたことに感謝します。

次に考えてほしいのは、この整頓状態を
「誰がやっても同じように維持できるか?」という点です。

例えば、ファイルに課名ラベルを貼る、
定期的に中身の確認を行う仕組みを設けるなど、
5Sの「清潔」「しつけ」のレベルへ進めることで
さらに再発しない状態がつくれると思います。

この改善をきっかけに、ぜひさらに一歩進んだ
管理の仕組みにチャレンジしてみてください。

あなたの次なる改善報告も楽しみにしています。

以下に、今回の「男女別に保管されていた休務カードを、課別にファイル分類し整頓した改善」について、ご提示いただいた評価表現に忠実かつ厳しめの視点で採点・評価を行います。


(1)成果の大きさ

休務カードの保管状態を課別に分類・整頓したことで、
有給取得手続きなどの際に探す手間がなくなり、
事務作業の効率向上に貢献しています。
しかし、改善の対象は休務カードに限定されており、
工場全体やコスト面への影響は小さいため、
「満足のいく成果である改善」と評価します。
B(12点)


(2)改善の独自性

分類整頓のためにファイルを使い、課ごとに分けるという方法は
5Sの基本的な整頓手法にあたり、
他の事務用品の管理でもよく見られる手法です。
特別な工夫や独創性が求められる内容ではないため、
「よく似たタイプが多い改善」と評価します。
C(8点)


(3)改善の難易度

ファイルを準備し、カードを分類・格納する作業には
ある程度の手間はかかりますが、
作業時間は30分~1時間程度と考えられます。
特別な技術を必要としないため、
「標準的な時間でできた改善」と評価します。
B(12点)


(4)清潔レベル

ファイルでの分類整頓によって、
一時的には混在や探すムダがなくなりますが、
運用ルールがないと、次第に元の状態に戻る可能性があります。
たとえば、他の人が勝手に入れ替えてしまうなど、
「何かのきっかけで再発する改善」と評価します。
C(8点)


(5)習慣(しつけ)レベル

ファイル化しただけでは、使用後に正しく戻すルールや
定期的な確認の仕組みがないと、
継続的に整頓された状態を保つのが難しくなります。
この点で、「徹底すべきルールを設定した改善」と評価します。
C(8点)


合計点数

12(成果) + 8(独自性) + 12(難易度) + 8(清潔) + 8(習慣) = 48点


5Sレベル:B(46~65点)


評価まとめ

今回の改善は、日々の業務の中で見落とされがちな
「探すムダ」に着目し、確実に作業効率を向上させた
良い整頓改善でした。ただし、長期的な維持の仕組み
まだ改善の余地があるため、今後の課題は
“再び乱れない仕組みづくり”です。


今後の改善ポイント

✅ ファイルに課名のラベルを貼り、視認性を向上させる
✅ 休務カードの使用ルールや記入方法を明文化する
✅ 定期点検や整頓チェック表を導入する


この改善を出発点に、管理が習慣化されるしくみまで
高められることを期待しています!
次の改善報告も楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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