5S改善事例:アイボルトのサイズ別分類による整頓効率化改善

【結果/効果】

(なにが)
ワゴンの外へ出しシャフトに通したので
アイボルトを取り出す時間のムダが
(どうなった)
取り出し易くなり時間が短縮された
1日平均で45秒短縮×20日
1カ月あたり:900秒削減(900円削減)

【専門家コメント】

アイボルトが重なって容器内に収納されていたことで、
必要なサイズを探すのに時間がかかっていた状態を、
ワゴンの側面にサイズ別の専用シャフトを設けることで
一目で分かるように分類・展示した改善ですね。

この改善によって、「探すムダ」がなくなり、
作業効率の向上だけでなく、誤使用の防止にもつながる
とても有効な整頓改善だと思います。
まずはこの気づきと実行に、感謝します。

今後のステップとしては、
シャフトごとにサイズを表示することで
「誰が見ても分かる」状態をさらに確実なものにし、
使った後も正しく戻されるようなルール化まで
進めていけると理想的です。

整頓は「使いやすさ」と「戻しやすさ」を両立させることが大切です。
ぜひその視点で次のレベルの改善にも取り組んでみてください。

次なる報告も楽しみにしています。

以下に、今回の「アイボルトをサイズ別にワゴン側面にシャフト設置して分類展示した改善」について、ご提示いただいた評価基準と記述表現に忠実に、厳しめの視点で採点・評価を行います。


(1)成果の大きさ

重なったアイボルトから目的のサイズを探す手間があった状態を、
サイズ別に分類・展示することで、探すムダを解消し、
作業効率の向上に貢献しています。
また、サイズ間違いによる誤使用リスクの低減にもつながります。
ただし、対象範囲がアイボルトに限定されており、
生産性全体への影響は限定的なため、
「満足のいく成果である改善」と評価します。
B(12点)


(2)改善の独自性

サイズごとにシャフトで分類して展示する方法は、
視認性・取り出しやすさを意識した工夫が見られます。
ただし、同様の分類展示方法は他の備品収納でも
比較的よく見られるため、
「標準的に発想ができる改善」と評価します。
B(12点)


(3)改善の難易度

ワゴンの側面にシャフトを設置するには、
取り付け位置や寸法調整などある程度の作業は必要ですが、
特別な加工技術を伴う内容ではないと考えられます。
所要時間も1時間以内と推定されるため、
「標準的な時間でできた改善」と評価します。
B(12点)


(4)清潔レベル

分類展示によって視認性と取り出しやすさは向上していますが、
使用後に戻さない・他サイズと混在するといった
再発リスクは残っています。
ラベル表示や戻し方のルールがなければ、
「何かのきっかけで再発する改善」と評価されます。
C(8点)


(5)習慣(しつけ)レベル

整然と分類展示しただけでは、
使った後に正しく戻す運用ルールや
点検・管理の仕組みが明示されていない場合、
状態維持が属人化する可能性があります。
そのため、「徹底すべきルールを設定した改善」と評価します。
C(8点)


合計点数

12(成果) + 12(独自性) + 12(難易度) + 8(清潔) + 8(習慣) = 52点


5Sレベル:B(46~65点)


評価まとめ

今回の改善は、視認性と効率性を高めた良い整頓改善であり、
使用頻度の高い部品ほど効果が実感できる内容でした。
ただし、維持管理の仕組みが不十分な点が評価を抑える要因となっています。


今後の改善ポイント

✅ 各シャフトにサイズを明示するラベルを貼る
✅ 「使ったら戻す」ルールを掲示・徹底する
✅ 定期的な点検や分類状態のチェックリストを導入する


この改善をベースに、「乱れない仕組み化」への発展を期待しています。
次の改善報告も楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次