5S改善事例:ひと目みてわかる部品表示の改善

【ビフォー】ある部品名がひとまとめでで表示されていた

【アフター】部品写真と部品表を作成した

【結果/効果】

(なにが)
部品写真と部品表に番号を付け、どの部品かわかり探しやすくなった
(どうなった)
1回平均で600秒短縮×月間2回発生
1カ月あたり:1200秒削減
金額効果:1200円

【専門家コメント】

改善前は、棚に保管されている部品と部品表に番号が付いておらず、
どの部品がどれなのか分からない状態でした。
そこで、部品写真と部品表の両方に対応する番号を付けることで、
必要な部品を素早く特定できるようにした改善ですね。

情報が混乱しやすい状況に対して、
「見てすぐわかる」仕組みを作ってくれたこと、
本当にありがとうございます。

このような整頓の工夫は作業効率を高め、
誤出庫などのミスも防ぐ大きな効果があります。

次に考えてみてほしいのは、
この番号の付け方にルールはあるのか?という点です。

例えば「部品の種類別」「サイズ順」「使用頻度順」など
整理の視点が加わると、よりパフォーマンスの高い
置き方とルールが見えてくるかもしれません。

すべての改善は、仮説と実行の繰り返しです。

ぜひ今回の工夫をさらに発展させて、
より使いやすい棚づくりを進めてください。

次の素晴らしい改善報告も楽しみにしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
部品に番号を付けて棚と表をリンクさせたことで、探す手間の削減、誤出庫の防止、作業時間の短縮といった効果が一気に得られる優れた改善です。特に、情報が錯綜しやすい場面での「視覚化」は、業務全体の品質にも関わるため、高い成果としてA評価とします。


(2)改善の独自性:B(12点)

理由:
「番号で対応させる」手法自体は比較的標準的ですが、実物(部品)と情報(部品表)を正確にリンクさせるという運用面での工夫は評価できます。特に、写真との組み合わせがあることで視認性がさらに高まり、実務に即したアイデアとしてB評価が妥当です。


(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
部品の写真撮影・番号付け・棚への表示・表への反映と、それぞれに少しずつ手間のかかる作業が含まれているため、30分以上~1時間程度の工数が想定されます。簡易的な改善より一歩踏み込んでおり、B評価とします。


(4)清潔レベル:B(12点)

理由:
今回の改善で「間違いにくく」「探しやすい」状態が整っており、同じような混乱が再発しにくくなる工夫が実施されています。ただし、番号の更新ルールや配置の見直しのタイミングなど、長期的な維持管理の仕掛けがまだ未整備であれば、A評価には届かず、B評価とします。


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
改善内容は非常に優れていますが、その状態を保ち続けるためのルール化(例:番号付けの基準、変更時の運用手順、周知方法など)が未設定である場合、改善の効果が一時的にとどまる可能性があります。標準化や運用ルールの明文化により、習慣レベルの向上が期待されます


🧾 総合評価

  • 合計点数:60点
  • 5Sレベル:B

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 材料/部品(棚と部品表)

🔍 アドバイス:
この改善は、「情報と現物の不一致」という現場で非常に起こりやすい問題に対して、視覚的にわかりやすく解決した好事例です。
今後、さらに5Sレベルを上げるためには以下のようなステップを検討してみてください:

  • 番号の付け方に一貫性を持たせる(種類別/サイズ順/使用頻度順など)
  • 番号表の保守ルールや更新手順の整備
  • 棚の定位置表示(番号+輪郭+写真)との連携
  • 他部門や他棚への展開と標準化

こうした仕組みを取り入れることで、整頓から清潔・習慣化へのステップアップが可能です。
次なる改善報告も、楽しみにしております。


この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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