5S改善事例:ピンの収納場所の改善

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
ピンの位置が
(どうなった)
機械の下に置き、運ばなくても良くなった
運んだ歩数(一日往復平均)332歩
332歩=332秒=332円
332円×12/M=3984円
年間47808円の削減

【専門家コメント】

改善前は切替時に用意するピンを収納場所から
1回1回運んで持ち歩いている状態でした。
そこで切替位置を決めてもらい、機械の真下に
配置することによって、わざわざ運ばなくても
よいようにした改善ですね。

無駄な動作に気づき、それをなくす工夫をしてくれた
今回の改善、本当に素晴らしいです。ありがとうございます。

このように「動線の短縮」は作業効率だけでなく
ミスや置き忘れの防止にもつながりますね。

次に考えてみてほしいのは、配置したピンが
「誰が使っても同じように戻せる」状態かどうかです。

例えばピンの種類ごとにラベルを貼る、
置く場所の形を決めるなど、整頓の視点を
取り入れると、より高い5Sレベルになります。

さらに定期的なチェックや清掃ルールを決めれば、
清潔を保つ仕組みも加わりますね。

ぜひ今回の良い取り組みを次の改善につなげて、
またの報告を楽しみにしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
切替作業のたびにピンを取りに行くという明確なムダ動作があった状況に対して、配置の見直しにより、作業時間短縮・動線改善・置き忘れ防止という複数の成果を実現したことは、非常に効果的です。影響範囲も大きく、A評価とします。


(2)改善の独自性:B(12点)

理由:
使用場所の近くに必要な物を置くという発想は5S整頓の基本ですが、切替作業という特定業務に絞った動線改善と、ピンという小物の管理に着目した点は、現場ならではの視点があり、B評価とします。


(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
保管場所の検討・調整・設置を行うには、現場レイアウトの確認や関係者との調整が必要で、少なくとも30分〜1時間以上の作業が想定されます。難易度は中程度と判断し、B評価とします。


(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
現在は「使いやすい位置への配置」までが実施されており、清潔を保つための仕組み(例:定位置化、ラベル表示、置き忘れ防止対策など)は未整備と見られます。これらが加われば、A評価も可能です。


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
現時点では単発的な整頓改善として実施されていますが、ピンの種類や数量を管理する仕組み、使用後の戻しルール、定期チェックなどの「しつけ」要素までは至っていないようです。今後のルール化・標準化により、評価アップが可能です。


🧾 総合評価

  • 合計点数:56点
  • 5Sレベル:B

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 治具/刃具

🔍 アドバイス:
今回の改善は、ムダな動作を減らし、作業者が「すぐに使える状態」をつくるという整頓の基本を高いレベルで実践した好例です。今後は、次のような仕掛けを取り入れてみてください:

  • ピンの種類別ラベルや色分け
  • 定位置を輪郭表示・型抜きで明確化
  • 「使ったら戻す」ルールを周知/掲示
  • ピンの汚れや摩耗チェックを含めた定期点検

こうした整備が進めば、5SレベルA〜Sへのステップアップも現実的です。
次の改善報告も楽しみにしています。


この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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