5S改善事例:パレットの現品票をみやすくした

【ビフォー】 現品票が見えずらかった

【アフター】A4サイズの紙に品番・品名を大きく表示した

【結果/効果】

(なにが)
パレットを積み込む時
(どうなった)
品番・品名を見やすくなったので積み込み作業が早くなった。
1日平均で120秒短縮
1日120秒削減 × 発生日数20日
1カ月あたり:2400秒削減

【専門家コメント】

改善前はパレットを積み込む際に
品番・品名の表示が見えにくく、
確認に時間がかかる状態でした。

そこでパレットに品番・品名を
大きく明確に表示することによって、
積み込み作業時に瞬時に内容物を
判別できるように視認性を向上させた
改善ですね。

この改善によって作業効率が上がり、
取り違え防止にもつながる効果があり
現場にとって大きなメリットです。
問題に気づき、対処してくれてありがとう。

次の視点として考えたいのは、
この表示が時間とともに劣化しないか?
あるいは誰でも更新できる方法か?です。

テプラの貼り替え時期を決めたり
印刷物の保護カバーをつけたりするなど
「清潔(ルールの維持)」の観点からも
次の改善につなげてみてください。

あなたの次なる報告書を楽しみにしています。


目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
品番・品名が見えにくく確認に時間がかかっていたという問題を解決し、積み込み作業時の判断時間の短縮+取り違え防止という複合的な効果が得られました。作業の効率化に対して直接的な成果が見込まれるため、A評価としました。


(2)改善の独自性:C(8点)

理由:
表示を大きく・明確にするという方法は、5S活動の中でもよくある整頓手法のひとつであり、特別な発想や新しい方法が使われたとは言い難いため、独自性はC評価です。


(3)改善の難易度:C(8点)

理由:
ラベルの作成と貼り付けは比較的簡易な作業であり、必要な道具(テプラや印刷物、テープなど)があれば15~30分以内に対応できる改善です。したがって、C評価となります。


(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
現時点では表示を改善しただけであり、時間の経過による劣化や剥がれへの対策(保護カバー、更新ルールなど)は導入されていません。今後、表示管理の仕組みができれば、清潔レベルはA以上も目指せます。


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
表示を明確にするという一回の改善には成功していますが、それを継続・習慣化する仕組み(更新時期のルール化、責任者の明確化など)までは整っていないようです。全体への展開や管理体制の構築が次のカギとなります。


総合評価

  • 合計点数:48点
  • 5Sレベル:B

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 表示/情報

🔍 アドバイス:
表示改善は“見てわかる”整頓の王道です。次は以下のような清潔・習慣の仕掛けを考えてみましょう:

  • ラベルを保護フィルムでカバー
  • 更新タイミングを点検リストに組み込み
  • 表示の統一ルール(文字サイズ・色など)を明文化

これにより、「整頓 → 清潔 → 習慣」へと5Sのステップを着実に進めることができます。
今後の改善展開も楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次