5S改善事例:スムーズな作業の為に時間短縮

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
作業を中断するムダ
(どうなった)
1回2秒が0秒に!
日 250個×2秒 500秒
月 500秒×2回 1000秒
1カ月あたり:1000円削減

【専門家コメント】

改善前は作業の度に工具の根元が緩んでしまい、
毎回作業を中断して締め直さないといけない状態でした。
そこで工具の根元部分を青いテープで固定することに
よって、作業中に緩まないようにして作業を中断せずに
済むようにした改善ですね。

このような「ちょっとした不便」に
気づき、作業を止めずに済む工夫を
自ら実行してくれたことに感謝します。

効率の良い職場づくりには
こうした気づきがとても重要です。

今回の改善は「清潔=問題を生まない」
という5Sの基本機能に近づく一歩ですね。

ただ、テープで固定する方法は
時間とともに粘着力が落ちたり
逆に工具側が劣化する可能性もあります。

ですので次は、工具自体の構造や
固定具の見直し、もしくは交換の検討など
より長期的に安定する方法を探るのも一案です。

改善の仮説→実行→検証を
今後も続けていってくださいね。

次なる改善報告を楽しみに待っています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:B(12点)

理由:
作業のたびに中断して締め直すという手間を解消し、作業効率の向上とストレス軽減につながった改善です。ただし、影響の範囲は限定的なため、中規模の成果としてB評価とします。


(2)改善の独自性:B(12点)

理由:
緩みを防ぐ手段としてテープを活用するという発想は、身近な材料を用いた簡易な工夫でありながら、現場に即した対応として評価できます。特殊工具や部品を使わず、現場の知恵で対処した点に独自性が見られます。


(3)改善の難易度:C(8点)

理由:
テープを巻くだけであれば、5〜15分程度の作業で実施可能な、手軽な改善です。短時間・低コストで実行できる点は魅力ですが、難易度としてはC評価が妥当です。


(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
「緩みが再発しない工夫」という意味では清潔=不具合を起こさない状態に近づいているものの、テープは経時劣化や破損、ベタつきの発生リスクがある素材です。今後、より恒久的な対策(工具の構造改善、固定具の導入など)が検討されれば、A評価も可能です。


(5)習慣レベル:D(4点)

理由:
今回の改善は、個人の工夫としては素晴らしい取り組みですが、「他の作業者にも同じように対応できる」「使うたびに状態をチェックする」などのルール化・標準化がされていない点から、習慣化のレベルはD評価となります。
今後、使用方法や点検方法を見える化して共有できるようになれば評価が上がります。


🧾 総合評価

  • 合計点数:44点
  • 5Sレベル:C

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓+清潔
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 工具/備品(緩み防止対策)

🔍 アドバイス:
今回の改善は、小さな不便を放置せず、自分で仮説を立てて改善に行動を移した好事例です。今後のステップアップに向けて、以下の点を検討してみてください:

  • テープの交換時期の目安や点検ルールの明文化
  • 他作業者にもわかるように表示や注意書きを追加
  • 固定部品(バンドやホルダーなど)への置き換え検討
  • 他の工具でも同様の問題がないかの展開調査

これらを実施すれば、整頓・清潔・習慣レベルも引き上がり、5SレベルB〜Aへのステップアップが十分に可能です。

次の改善報告も楽しみにしています!

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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