5S改善事例:コンベヤー制動器の置き場の変更

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
コンベヤー制動器が
(どうなった)
手で運んでいた物を専用の台車にて運ぶようにしました
用意にかかる時間1分
60秒=60円
60円×2/D×5/M=600円
年間7200円の削減

【専門家コメント】

改善前は重い治具を手で運んでいたので持ち運びに時間がかかる状態でした。
そこで手で運んでいた物を専用の台車にて運ぶようにし、
さらに使用する作業台の下に置き場所を変えることによって、
効率的に運搬できるようにした改善ですね。

まずはこのムダな運搬作業に気づき、
効率よく移動できるようにしてくれたこと、
本当にありがとうございました。

今回の改善で、作業時間の短縮だけでなく
腰など身体への負担軽減にもつながる
とても有効な改善になったと思います。

さて次に考えてみてほしいのは、
この専用台車の置き場所や使い方を
他の人にもすぐわかるようにできないか?という点です。

たとえば、「治具運搬用台車」と表示して定位置を決め、
置き場所にラインを引くことで整頓効果が高まります。

5S活動では、「誰が見てもすぐわかる」
「モノの乱れが起きない仕組みづくり」が大切です。
ぜひその視点で、次なる改善に挑戦してください。

あなたからの次回の改善報告も楽しみにしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
重い治具を手で運んでいた状態から、台車による運搬+定位置化によって、作業時間短縮・負担軽減・安全性向上という多面的な効果が得られています。作業者にとっての効率だけでなく、ケガや腰痛予防の観点でも大きな成果といえ、A評価とします。


(2)改善の独自性:B(12点)

理由:
「重い物は台車で運ぶ」という発想自体は一般的ですが、作業台の下を置き場所として有効活用した点には工夫が見られます。台車の導入+定位置の見直しという2つの整頓視点を組み合わせていることから、B評価が妥当です。


(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
専用台車の用意と、作業台下への設置検討には、現場のレイアウト調整や導線確認、時には関係者との協議も必要とされ、30分〜1時間以上の改善作業であると推定されます。短時間では終わらない改善であるため、B評価とします。


(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
今回の改善は「使いやすく配置した」段階であり、台車の定位置を明示(ラインや表示)、運搬ルールの明文化、保管状態の点検といった“清潔を保つ仕掛け”までは未実施のようです。これらの導入によって、清潔レベルの向上が期待されます


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
現時点では「改善者が使用するには便利になった状態」であり、誰が使っても同じように戻せるようなルール化(表示、定位置管理、使用後点検など)は未整備の可能性があります。整頓状態の標準化や教育展開が行われれば、B〜A評価に達する改善です。


🧾 総合評価

  • 合計点数:56点
  • 5Sレベル:B

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 治具/刃具(運搬用台車)

🔍 アドバイス:
今回の改善は、「安全性・効率性・整頓」を兼ね備えた好事例です。今後は次のような仕組みを導入して、清潔・習慣レベルを引き上げることをおすすめします:

  • 台車の置き場所にラインテープや表示を追加
  • 「治具運搬用」とラベルで明示
  • 使用ルールや戻しルールの標準化
  • 他作業者への展開と共有

これらにより、5SレベルA〜Sへの到達も現実的になります。
さらなる改善活動を楽しみにしています。


この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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