5S改善事例:支給部品置き場の整理

【結果/効果】

(なにが)
棚の整理を行い棚の撤去を行った。
(どうなった)
1㎡のスペースのムダがなくなった

【専門家コメント】

複数の棚が設置されていて、
スペースを非効率に使用していた状態だったのを、
部品の配置を見直し、不要な棚を撤去することで、
スペースを効率的に活用できるようにしたと同時に、
残った棚の中身も整然と配置して、
視認性を向上させた改善ですね!

限られた作業スペースを有効に使うことは、
作業効率の向上だけでなく、安全性向上にもつながります。
不要なものを取り除くことでスッキリし、
部品が探しやすくなるという点も素晴らしいです。
良い取り組みをありがとうございました!

しかし、この改善は今後も維持できるでしょうか?

例えば、

  • 今後、部品の種類や量が増えたとき、スペースが再び圧迫されるリスクは?
    → 追加部品の収納ルールや、新たなレイアウト変更の基準は決まっているか?
  • 撤去した棚が必要になる可能性はないか?
    → 棚を減らしすぎて、収納不足にならないか?
  • 視認性をさらに向上させる工夫はあるか?
    → ラベル表示や色分けを活用し、よりわかりやすくできるか?

ただ「棚を減らした」だけでは、
時間が経つとまたスペースが圧迫される可能性があります。
「長期的に維持できる仕組み」 を考え、
さらなるレベルアップを目指してみてください!

次回の改善報告では、「維持・標準化の工夫」 にも踏み込んだ取り組みを期待しています!

目次

5Sレベルの評価

今回の改善を、5Sレベル評価でチェックしていきます。


(1)成果の大きさ

不要な棚を撤去し、スペースを有効活用できるようになったことで、
作業エリアが広くなり、視認性も向上しました。
ただし、作業時間の短縮や生産性向上にどの程度寄与したかが不明なため、
「やや大きい成果」と評価します。
A(16点)

(2)改善の独自性

「不要な棚を撤去し、配置を見直す」という手法は、
整理・整頓の基本的な考え方であり、特に目新しさはありません。
よく見られる改善のため、「よく似たタイプが多い改善」と評価します。
C(8点)

(3)改善の難易度

棚の撤去や部品の再配置には、ある程度の時間と労力が必要ですが、
特別な技術を要するものではなく、標準的な作業の範囲内です。
「標準的な時間でできた改善」と評価します。
B(12点)

(4)清潔レベル

スペースを広くしたことで一時的には改善されていますが、
今後、部品の種類や量が増えた際に、
再び棚が必要になったり、乱雑になる可能性があります。
「何かのきっかけで再発する改善」と評価します。
C(8点)

(5)習慣(しつけ)レベル

整理後の状態を維持するためのルールがなければ、
時間が経つとまたスペースが埋まり、元に戻る可能性があります。
「徹底すべきルールを設定した改善」と評価します。
C(8点)


合計点数:

16(成果) + 8(独自性) + 12(難易度) + 8(清潔) + 8(習慣) = 52点

5Sレベル:B(46~65点)

今回の改善は、「スペースを有効活用する良い取り組みだが、維持管理に課題がある改善」 です。
一時的にスペースは広くなりましたが、
「長期的に維持する仕組みがなければ、再び物が増えてしまうリスクがある」 ため、
さらなる対策が必要です。

今後の課題として考えるべきポイント
部品の増加に対応できるよう、収納ルールを明確にする
ラベルや色分けを活用し、視認性をさらに向上させる
定期的な点検を実施し、不要な棚やスペースが再び増えないよう管理する

せっかくの改善を「一時的なもの」で終わらせず、
「持続可能な管理の仕組み」 を取り入れて、
より高いレベルの改善を目指しましょう!

次の改善報告では、「維持管理の工夫」 にも踏み込んだ取り組みを期待しています!

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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