5S改善事例:棚の整理

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
入らない物を廃棄し、棚の整理を行った。
探すムダ・戻すムダ
(どうなった)
1日平均で10秒短縮×月間の発生日数12日
1カ月あたり:120秒削減
金額効果:120円削減

【専門家コメント】

改善前は棚の周囲が雑然として
必要な物の出し入れに手間がかかる
状態だったとのこと。そこに目をつけて、
不要な物をしっかり廃棄し、棚の整理整頓を
徹底的に実施してくれた改善ですね。

探す手間がなくなることで作業の効率も上がり、
戻す場所が決まっていることで乱れも防げる、
とても効果的な改善だと思います。
ありがとうございました。

そして次に考えてみたいのは、
「なぜこのような状態になっていたのか?」
という点です。

・置き場所が決まっていなかった
・戻すルールが曖昧だった
・誰が使っても良いような共有棚だった
などの理由があったかもしれません。

これを防ぐためには、
・棚にラベルや表示を明確につける
・一目でモノの定位置がわかるようにする
・使ったら戻す仕組みを周知する
といった整頓のルールづくりが大切です。

今回の改善をベースに、さらに一歩進んだ
“乱れが起きない仕組み”をぜひ考えてみてください。

次なる改善報告も楽しみにしています。


目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
棚の周囲にあった不要物を撤去し、出し入れしやすい状態に整えたことで、探す手間の削減・作業効率の向上・職場の見た目改善という複数の効果が得られています。特に、乱雑だった共有スペースの改善は影響範囲が広いため、A評価としました。


(2)改善の独自性:C(8点)

理由:
棚の整理整頓は5S活動の中でも基本的かつ定番の改善テーマです。内容としても、特に珍しい手法やユニークな工夫は記載されていないため、独自性は平均的(C評価)と判断しました。


(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
「不要物の廃棄+棚の整理整頓」の作業には、現状の確認・仕分け・処分・配置の見直しなど、一定の手間と時間(30分~1時間程度)が必要です。短時間では難しい内容と見られるため、B評価です。


(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
現時点では、棚の整頓は行われたものの、再発防止のための表示や仕掛け(ラベル・輪郭表示など)についてはまだ不明です。「戻すべき場所を明確にする視覚管理」や、「誰でも使えるようにする定位置表示」などがあれば、A評価以上が狙えます。


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
棚の乱れが再発しないためには、戻すルールや運用の周知、点検・指導の仕組みが必要ですが、現状ではそれらの仕組み化までは至っていないと判断されます。標準化・ルールの共有化が次のステップになります。


総合評価

  • 合計点数:52点
  • 5Sレベル:B

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整理+整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 棚/備品置き場

🔍 アドバイス:
今回の改善は、「整理」と「整頓」の両方を実行した基礎力のある5S改善です。次のステップとしては、乱れを防ぐ“見える化”と“習慣化の仕掛け”がポイントになります。
具体的には:

  • ラベル表示の徹底
  • 戻す位置を輪郭や写真で明確に
  • 定期点検のルール化

こうした対策を加えることで、清潔・習慣レベルが上がり、5SレベルA〜Sへの到達が見えてきます。今後のさらなる改善にも期待しています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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