5S改善事例:ズレ発生のロス金額削減

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
ズレの発生
(どうなった)
月 1回生産
月 3台×2100円=6300円 6300円の削減

【専門家コメント】

改善前は2枚重ねて溶接する際に、
下側の部品がピンに入らずズレが発生している
状態でした。そこでセンサーを取り付けることに
よって、ズレが発生している場合は機械が作動
しないようにして、不良品の発生を未然に防ぐ
ようにした改善ですね。

不良が出る前にストップをかける仕組みを導入する、
まさに5Sでいう「清潔=未然防止」の好例です。
現場の品質を守るうえで非常に有効な工夫だと
思います。ありがとうございます。

次に考えたいのは、このズレ自体を発生させない
ための根本対策です。例えば部品の位置決め方法や
治具形状の改善、部品供給時の置き方・方向の
統一化など、整理・整頓の視点から見直すと
さらに効果的です。

「ズレが起きない状態」を作れれば、センサーは
あくまで保険として働き、より安定した生産が
可能になります。

今回の優れた改善を起点に、次なる根本的な改善
報告が届くことを楽しみにしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
ズレによる不良品の発生を完全に未然防止できるため、品質面・コスト面の損失を大幅に削減できます。製品の信頼性も向上するため影響は大きいですが、生産性向上や安全性への波及効果は限定的なため、A評価とします。


(2)改善の独自性:A(16点)

理由:
センサーを活用して「不良が発生する前に機械を停止する」という発想は高度な予防的改善です。単なる人の注意や点検に頼らず、設備側で制御するという点が評価ポイントです。既存技術の応用ではあるものの、現場課題に合致させた点でA評価です。


(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
センサーの選定・設置・配線・制御ロジックの設定など、ある程度の技術的知識と作業時間が必要です。改造規模は中程度と推定されるため、B評価です。


(4)清潔レベル:S(20点)

理由:
不良品が発生する前に機械を停止させる仕組みは、まさに「清潔=未然防止」の最上位レベルです。発生原因そのものは残っているものの、不良の流出を100%防げる構造であるためS評価とします。


(5)習慣レベル:A(16点)

理由:
設備による自動検知は、作業者の意識に依存せず誰が作業しても同じ品質を維持できる仕組みです。ただし、センサーの点検・調整・清掃といった維持管理ルールが定着しているかによって安定性が変わるため、現時点ではA評価とします。


総合評価

  • 合計点数:80点
  • 5Sレベル:A

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 清潔
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 設備(溶接工程)

🔍 アドバイス:
この改善は、品質不良の“発生後”ではなく“発生前”に対策を打った非常に価値の高い取り組みです。
次のステップは、今回のセンサーを“保険”と位置づけたうえで、ズレの発生原因そのものをなくす根本改善です。

例えば:

  • 部品位置決めピンや治具の形状改善
  • 部品供給時の方向統一・ガイド設置
  • 振動や衝撃によるズレ防止構造の追加

こうした整理・整頓の視点と組み合わせた改善を行えば、5SレベルSも十分狙えます。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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