5S改善事例:箱詰め作業の移動距離短縮

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
無駄な移動距離
(どうなった)
日 8歩×150回=1200歩→600歩に! 600秒削減
月 600秒×21日=12600秒 12600円の削減

【専門家コメント】

改善前は、オーブンを箱に入れる作業において、
作業者が往復8歩×150回という移動距離を伴う
無駄な動きが発生している状態でした。
そこで、箱詰め場所を従来の1箇所から2箇所に
増設し配置を見直すことによって、作業者の移動距離を
効率的に半分に短縮した改善ですね。

非常に効果的な整頓の視点による改善です。
目に見える効率アップだけでなく、作業者の負担軽減にも
つながる素晴らしい取り組みに感謝します。

次に考えていただきたいのは、この新しい配置が
今後の作業変化や人員の増減に応じて
柔軟に対応できる仕組みになっているか?という点です。

例えば作業量が増えたときに、
どのように対応するのかルール化しておくと
今後の作業も安定して続けられるはずです。

仕組みで問題を未然に防ぐ「清潔」の視点も
ぜひ取り入れて、より強い現場にしていきましょう!

次なる改善報告も楽しみにしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:S(20点)

理由:
往復8歩×150回=1200歩のムダな移動が削減されたことで、作業効率が飛躍的に向上しています。加えて、作業者の疲労軽減や作業時間短縮にも直結しており、職場全体の生産性と安全性向上に寄与している点からも、最大評価のS(20点)とします。


(2)改善の独自性:A(16点)

理由:
「作業者の移動を減らすために作業位置を分散する」考え方自体は一般的ですが、作業の実態(歩数と回数)を数値化して対策に結びつけた点が非常に優れており、実行力と分析力が光る改善です。さらに、オーブンという重量物への対応という点も加味し、A評価とします。


(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
作業場所を1→2箇所にするには、レイアウトの再検討、スペースの確保、通路の安全確保、台や備品の準備が必要であったと考えられます。時間的には30分〜1時間程度、もしくはそれ以上の調整がかかった可能性もあるため、B評価が妥当です。


(4)清潔レベル:B(12点)

理由:
作業位置を分けることで混雑や作業中のトラブル(衝突・渋滞)も防げる効果がありますが、作業場所の使い分けやメンテナンス(清掃・整頓)までのルールが整っているかは不明なため、現時点ではB評価とします。今後、「この作業台は誰が使う・どの順で使う」などの運用ルールを整備すればA〜Sも可能です。


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
現在の改善はおそらく担当者主導で実施されたものですが、今後、異動・人員変更・繁忙期などがあった場合に、配置変更が維持されるかどうかがポイントです。ルール化(例:作業者が3人以上なら2箇所に分かれる、作業台の使い方のマニュアル化など)や標準作業としての定着があれば、習慣レベルも上がります。現時点ではC評価です。


総合評価

  • 合計点数:68点
  • 5Sレベル:A

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 完成品(オーブン)

🔍 アドバイス:
非常に良質な改善であり、「人が動く」から「モノが近くにある」へという5Sの基本原則に忠実な取り組みです。今後は以下のようなステップで、さらなるレベルアップを目指しましょう:

  • 作業台ごとに使用区分(ライン1用/ライン2用など)を表示
  • 繁忙期・人員増に応じた台数やレイアウトの使用ルール化
  • 使用後の清掃・整理点検のルール設定
  • 改善内容を他工程・他製品にも展開

こうした“維持できる仕組み”=清潔・習慣の視点を加えることで、5SレベルSも視野に入ります。

次なる改善報告も心よりお待ちしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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