5S改善事例:移動距離の短縮

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
歩く無駄が
(どうなった)
10歩が0歩に!
日 20回×10歩 200歩(秒)
月 1回×200歩(秒)
1カ月あたり:200円削減

【専門家コメント】

改善前は記録を記入するために
往復10歩も移動していた状態を、
作業横に記録記入場所を設置することで
その移動をなくした改善ですね。

無駄な動きをなくすことで
作業効率が上がり、記入忘れや
手順の乱れも減る効果が期待できます。
素晴らしい視点に気づき、
行動に移してくれてありがとうございます。

さて、次の改善視点としては
その記録の「書きやすさ」や
「記入のしやすい道具配置」も
一度見直してみてはどうでしょうか?

例えば、ペンの置き場所が決まっているか?
記入用紙が取り出しやすくなっているか?
記入する手元の明るさは足りているか?など

整頓や清掃の視点も組み合わせて
清潔な状態で記入できる環境を
習慣化する仕組みづくりもぜひ考えてみてください。

次なる改善報告を楽しみにしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
記入のために毎回10歩の移動をしていたムダを削減し、記入忘れ防止・作業手順の安定・作業効率の向上を同時に達成しています。現場作業の流れに直結する部分への改善であり、日常業務の質向上に貢献している点からA評価とします。


(2)改善の独自性:B(12点)

理由:
「記録場所を近くに設ける」という考え方は標準的な整頓手法の一つですが、“往復10歩”という具体的なムダに着目し、実行に移した点は現場目線の良い工夫です。使う人の動きを見て気づいた点に価値があり、B評価とします。


(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
作業台や壁への記入スペース設置には多少の準備が必要であり、場所の確保、備品の設置、固定方法の検討などを含めると、30分以上の作業時間と工夫が必要です。そのため、B評価が適切です。


(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
記入場所を設けただけでは、時間が経つにつれペンがなくなる、紙が散乱する、記入台が汚れるといった事態が想定されます。今後、道具の定位置管理・清掃ルール・補充ルールなどが整えば、A評価にもつながります


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
現時点では「記入しやすい場所に変えた」という単発の整頓改善であり、誰でも正しく記入できる仕掛け(記入手順、書き方見本、チェック項目など)の整備は見られません。今後、ルールの明示・標準化・全体展開が進めば、B〜A評価も見込めます。


🧾 総合評価

  • 合計点数:56点
  • 5Sレベル:B

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 情報(記録・記入スペース)

🔍 アドバイス:
この改善は、「記入するだけの作業」にもムダが潜んでいることに気づき、“動作の最適化”という視点で効率化を図ったとても価値ある改善です。次のステップとしては:

  • 記入道具の定位置化(ペンホルダー・予備ペン)
  • 書類補充ルールやフォルダー整備
  • 照明の明るさや作業姿勢の配慮
  • 標準記入例・見本の掲示

など、記入のしやすさ × 整頓 × 清潔 を一体化した改善へと進めていくことをおすすめします。
次回の改善報告も楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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