【ビフォー】


【アフター】

【結果/効果】
(なにが)
重なった製品が取りにくいのが
(どうなった)
下に専用のカマシを先に敷き、製品が浮くようにした
製品を取る時間2秒
2秒=2円
2円×20/D×1/M=40円
年間480円の削減
【専門家コメント】
改善前は重なった製品が取りにくいので
時間がかかる状態でした。そこで下に専用の
カマシを先に敷くことによって、製品が浮く
ようにして製品が取りやすくした改善ですね。
このような「取りにくい」作業に対し、
自ら問題を捉えて工夫してくれた点に
まず感謝します。ありがとうございます。
作業者にとっても時間短縮になるうえ
製品を無理に取ることがなくなり
品質面でも良い影響があると思います。
この改善は「整頓」に該当します。
取りやすくするためのしかけを
自分で設けるのは非常に良い姿勢です。
次に考えてみたいのは、
このカマシがズレたり、なくなったりした時、
元に戻すルールがあるか?という点です。
もし「使ったら戻す」だけでは守られないなら
置き場所やラベルでの表示も含めて
“決められた場所に戻す仕組み”を
検討してみてください。
さらなる改善報告を楽しみにしています。
5S改善評価
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:
重なった製品が取りにくいという「見えにくいムダ」を見つけ出し、時間の短縮と品質リスクの低減に繋がる改善を実行した点は高く評価できます。作業効率だけでなく、製品のキズ・変形などの防止にも効果的と考えられるため、A評価とします。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:
「下にカマシ(敷き物)を入れることで取りやすくする」という工夫は、現場改善の中ではよく見られるアイデアではありますが、既存の設備や道具を変えずに効果を出している点で独自性があると判断できます。B評価が妥当です。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:
カマシの準備や設置にかかる時間は比較的短く、15〜30分以内で対応可能な改善と想定されます。特別な設備導入や大規模な加工も伴わないため、C評価とします。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:
改善により製品が乱雑に取り扱われることは減ったと思われますが、カマシのズレや紛失に備えた保管・点検の仕組みまではまだ整っていないようです。たとえば、定位置管理、チェックリスト、ラベル表示などが導入されれば、A評価も可能です。
(5)習慣レベル:C(8点)
理由:
現時点では、「カマシを使って取り出す」という作業者ベースの対応であり、それを標準化・ルール化して他の作業者にも展開する仕掛けまでは見られません。
「使ったら戻す」だけではなく、戻す場所の明示や保管ルールの設定によって、誰でも守れる仕組みにすることで評価アップが見込めます。
🧾 総合評価
- 合計点数:52点
- 5Sレベル:B
今回の改善の区分
- ①改善の種類: 整頓
- ②改善場所: 工場
- ③改善対象: 完成品
🔍 アドバイス:
今回の改善は、小さな工夫で大きな効果を生む「気づき力」のある改善です。今後のステップとしては以下の点を検討すると、清潔・習慣レベルが向上し、5SレベルA〜Sも視野に入ります:
- カマシの定位置にラベルや輪郭表示を設置
- 「使ったら戻す」だけでなく、戻し方・置き方の標準化
- 他工程や他製品でも同様の取り出しにくさがないか横展開
このように、「なぜ使いやすくなったのか?」を言語化・仕組み化することで、改善は一過性でなく、継続的な価値となります。
次回の報告も楽しみにしています。

