5S改善事例:サンダーの形跡整頓

【ビフォー】サンダーをロッカーになおしている

【アフター】作業台にサンダーをセット

【結果/効果】

(なにが)
サンダーを出したり、なおす事
(どうなった)
なおさなくてもよくなった。
1日平均で40秒短縮×20日
1カ月あたり:800秒削減

【専門家コメント】

改善前はサンダーがケース内にあり、
使うたびに出し入れする手間が
発生していたとのことでしたが、

これを作業台に常設してすぐ使えるようにした
素晴らしい改善ですね。ありがとうございます。

このような改善は「整頓」の基本である
“必要なモノを、必要な時にすぐ使える状態”
をしっかり実現してくれています。

そのうえで、次の改善として考えてほしいのは、
“サンダーの周囲に発生する粉じんへの対応”です。

サンダーは使用中にホコリや削りカスが出やすく、
清掃を怠ると周辺がすぐに汚れてしまいがちです。

たとえば
・集じん機との接続
・使用後すぐ清掃するルールの設定
・粉じんがたまりにくい構造の検討
なども、未然防止=「清潔」につながります。

今後もぜひ今回のような良い工夫を起点に、
次のレベルの改善を実施してみてください。

あなたの次なる改善報告を
楽しみに待っています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
サンダーの出し入れという繰り返し発生していた手間をなくすことで、作業時間の短縮+ストレスの低減という二重の成果が得られています。毎回の作業効率に直結する改善であり、影響範囲も明確なため、A評価としました。


(2)改善の独自性:C(8点)

理由:
「使用頻度の高い道具を常設する」という考え方は、5S整頓の基本的な考え方に該当します。非常に有効ではありますが、特別な仕掛けや工夫(例:専用ホルダーの自作、セーフティ機能との連動など)がない限りは標準的なアイデアとされ、C評価としました。


(3)改善の難易度:C(8点)

理由:
作業台への常設化は比較的短時間でできる改善です。道具の取り付けに多少の加工が必要だったとしても、15〜30分程度で実行可能な範囲と見られるため、難易度としてはC評価としました。


(4)清潔レベル:D(4点)

理由:
現時点では、サンダーの常設化により「粉じんが発生しやすい状況」が固定化されたとも言えます。集じん対策や清掃ルール、ホコリ防止の構造的工夫がまだ取り入れられていないため、清潔面での懸念が大きい改善です。現状では最低ランクのD評価ですが、改善の余地も非常に大きい項目です。


(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
現段階では、「使いやすくなった」ことに重点が置かれており、その状態を保つルール(例:常設工具の管理者、使用後の清掃点検ルールなど)の整備までは至っていません。整頓状態を継続的に維持するための運用ルールや見える化が導入されれば、習慣レベルはB以上も可能です。


🧾 総合評価

  • 合計点数:44点
  • 5Sレベル:C

今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整頓
  • ②改善場所: 工場
  • ③改善対象: 設備(サンダー)

🔍 アドバイス:
今回の改善は、“使いやすさを最大化する”整頓の基本を非常にしっかり押さえた良い取り組みです。ただし、清潔(粉じん対策)と習慣(使用後ルール)の視点が未対応なことで、5Sレベルとしてはやや低めの評価となりました。

今後はぜひ以下を取り入れてみてください:

  • 集じん機やホースとの連結
  • 使用後の清掃チェック表の導入
  • 粉じんがたまりにくい台の設計(メッシュ構造など)

これにより5Sの上位ステップである「清潔・しつけ」レベルに到達できます。
次なる改善も楽しみにしております。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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