5S改善事例:事務所倉庫の保管書類の整頓

【ビフォー】

【アフター】

【結果/効果】

(なにが)
探すムダが
(どうなった)
1日平均で30秒短縮×月間の発生日数10回
1カ月あたり:300秒削減
⇒金額効果300円

【専門家コメント】

改善前は段ボール箱の中に書類が無造作に入れられた状態で、
必要な書類を探す際に時間がかかっていました。
そこで書類を棚に移し、種類別に分類して整理し、
それぞれにラベルを貼って見やすく配置することによって、
必要な書類をすぐに見つけられるようにした改善ですね。

このように作業効率を下げていた
根本的な問題に気づき、
整理と整頓の両面から
しっかり改善してくれたこと、
本当にありがとうございます。

ラベルによる明確な表示は、
他の作業者にとってもわかりやすく、
ミスや探す時間を大幅に
減らす効果があると思います。

次に考えてもらいたいのは、
この「整った状態」が
長く維持できるようなしかけです。

たとえば、
・定期的な書類の見直しルールを作る
・不要書類がたまらない仕組みをつくる
・誰が見ても迷わない配置に再点検する

こうした“清潔”の視点で
ルール化してみるのが次のステップです。

あなたのさらなる改善報告を
楽しみにお待ちしています。

目次

5S改善評価

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:
これまで探すのに時間がかかっていた書類が、棚へ種類別に分類・表示されたことで、探す時間の大幅な短縮と取り違い防止が実現されました。事務作業の効率を確実に改善した内容であり、日常的に使う書類に対する影響範囲の広さからも、A評価とします。

(2)改善の独自性:B(12点)

理由:
「分類+ラベル表示+棚収納」という組み合わせは、5S活動において比較的定番の整頓方法ですが、段ボールの中で混在していた書類を、実用的に“使いやすく見える化”した点に改善の工夫が感じられます。特に、実際の作業の中で発生していた“探すムダ”に直接アプローチしている点も評価ポイントです。

(3)改善の難易度:B(12点)

理由:
棚の用意、書類の分類、ラベル貼付などには、計画・実行含めて30分~1時間程度の作業時間がかかると見られます。整頓の中では中程度の負荷であり、B評価が適切です。

(4)清潔レベル:C(8点)

理由:
書類の整理整頓自体は見事に実行されていますが、今後の再乱雑化を防ぐ仕掛け(定期的な見直し、廃棄基準の設定、使用ルールの明示)については現段階で確認できていないため、清潔レベルはC評価とします。ここに“仕組み”を加えることで、B~A評価が十分に見込めます。

(5)習慣レベル:C(8点)

理由:
現状では、整頓された状態が維持される保証(ルール、責任者、定期チェックなど)が記載されていないため、単発的な改善とみなされます。書類管理の標準化や運用マニュアルができれば、習慣レベルは飛躍的に上がります。

🧾 総合評価

  • 合計点数:56点
  • 5Sレベル:B

📌 今回の改善の区分

  • ①改善の種類: 整理+整頓
  • ②改善場所: オフィス
  • ③改善対象: 書類

🔍 アドバイス:
今回の改善は、「探すムダの解消」に直結する実効性の高い5S活動でした。
今後さらに質を高めるためには:

  • 書類の定期的な見直し(例:月1回の不要書類チェック)
  • 保存期間ごとのラベル色分け(例:赤=1年保管、青=永久保存)
  • 書類管理の簡易マニュアル作成

などを取り入れると、清潔・習慣レベルが上がり、5SレベルA~Sが目指せます。
この改善をベースに、ぜひ他の保管物や書類エリアにも展開してみてください。
次回の報告も楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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