

【結果/効果】
(なにが)
ベースを大きくしたので台が安定した
(どうなった)
改善前 420秒 、改善後 180秒、
240秒短縮×月、4,800秒
1カ月あたり:4,800秒削減
〈月4,800円削減〉
【専門家コメント】
タップ機の作業台が小さく、不安定で揺れていたために
作業精度が安定せず、効率も落ちていた状態を、
作業台のベースを大型化して安定性を高めたことで、
揺れや傾きがなくなり、作業精度と効率の両方を向上させた改善ですね。
こうした作業台そのものの構造を見直す改善は、
単なる使い勝手の向上にとどまらず、
再作業の削減=品質向上にもつながる効果的な取組みです。
まずは現場での違和感に気づき、実行に移してくれたことに感謝します。
次に考えていただきたいのは、
この改善を他の同様の設備や作業台にも展開できるか?という点です。
また、安定性の点検ポイントを明文化しておけば、
今後の変化にもすばやく対応できます。
5S活動においては、改善の“定着と標準化”が重要なステップです。
せっかくの良い改善を「一時的なもの」にせず、
“再発しない仕組み”として確実に残していきましょう。
次回の改善報告も楽しみにしています。
以下に、今回の「タップ機の作業台ベースを大型化して安定性を高め、作業精度と効率を向上させた改善」について、ご提示いただいた評価基準と記述表現に忠実に、厳しめの視点で評価いたします。
(1)成果の大きさ
作業台の不安定さにより発生していた揺れや傾きを解消し、
作業の安定性が向上したことで、作業精度が向上し、
再作業の発生も抑制できた点は明確な成果です。
特に品質面への効果は大きく評価できますが、
対象が一部設備に限定されるため、
「やや大きい成果」と評価します。
→ A(16点)
(2)改善の独自性
作業台のベースを大型化するという発想は、
設備改善としては比較的基本的な対策であり、
同様の事例も多数見られるため、
「標準的に発想ができる改善」と評価します。
→ B(12点)
(3)改善の難易度
作業台のベースを大型化するためには、
現場状況の確認、寸法取り、材料手配、据え付けなど
ある程度の時間と労力を伴う改善です。
「そこそこ時間をかけた改善」と評価します。
→ A(16点)
(4)清潔レベル
揺れや不安定さを解消することで、
今後の品質不良や再作業の発生を未然に防止する仕組みとなっています。
再び台が傾くような状況も起きにくく、
「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価します。
→ B(12点)
(5)習慣(しつけ)レベル
今回の改善は主にハード面の対策であり、
運用ルールや点検習慣の明文化がなければ、
将来的に劣化やズレを見逃す可能性もあります。
よって「徹底すべきルールを設定した改善」と評価します。
→ C(8点)
合計点数
16(成果) + 12(独自性) + 16(難易度) + 12(清潔) + 8(習慣) = 64点
5Sレベル:B(46~65点)
評価まとめ
今回の改善は、設備の安定性向上によって作業効率と品質を同時に高めた
非常に実用性の高い改善です。
今後は、この状態を維持するための点検基準や再発防止ルールの整備によって、
さらに高い評価(A・S)につながる可能性があります。
今後の改善ポイント
✅ 作業台の安定性を点検する基準や頻度を定める
✅ 同様の構造を持つ他作業台への展開を検討する
✅ 作業標準書や点検記録にこの改善内容を反映する
「品質の安定」は5Sの最終ゴールのひとつです。
ぜひ次回も、高い視点での改善報告を期待しています。