5S改善事例:ロッカ-内 道具探し時間の短縮

【結果/効果】

(なにが)
ロッカーの扉に中の写真を張り付けたので
(どうなった)
ロッカーを開ける前に中の物が確認できる
1日平均で5秒短縮×20日
1カ月あたり:100秒削減

【専門家コメント】

ロッカー内の工具や備品を探す際に、
毎回扉を開けて中を確認するというムダな動作が発生していた状態から、
扉に内部の配置写真を貼り付けることで、
必要な物の場所を扉越しに把握できるようにした改善ですね。

このように、「探す」という見えにくいムダに注目し、
視認性を高める工夫によって作業効率の向上と動作の削減を実現した
非常に実用的な整頓改善です。
まずはこの改善を実行してくれたことに感謝します。

今後のポイントとしては、
中の配置が変更された際に写真を更新するルールを定めるなど、
「整った状態を維持する仕組み」が必要です。

5S活動では、整頓はスタート地点であり、
「清潔」「しつけ」によって乱れない仕組み化を目指します。

ぜひこの取り組みをきっかけに、さらに高いレベルの改善へと
発展させていってください。
次回の改善報告も楽しみにしています。

以下に、今回の「ロッカー内の配置写真を扉に貼り付け、探す手間を削減した改善」について、ご提示いただいた評価基準と記述表現に忠実に、かつ厳しめの視点で評価を行います。


(1)成果の大きさ

ロッカー内の備品や工具を探すたびに扉を開けて確認していた
非効率な状態を、扉に写真を貼ることで視認性を向上させ、
ムダな動作を削減した点は評価できます。
ただし、影響範囲が限定的であり、
生産性や品質面への直接的な波及は小さいため、
「満足のいく成果である改善」と評価します。
B(12点)


(2)改善の独自性

ロッカー内の写真を扉に貼るという手法は、
5S活動や事務所・倉庫の整頓改善として
よく見られる基本的な方法です。
発想としての新規性や工夫の余地は限定的であり、
「誰でも思いつく改善」と評価します。
D(4点)


(3)改善の難易度

ロッカー内部の写真を撮影し、印刷・掲示する作業には
数分~15分程度で実施可能であり、
特別な準備や加工も必要ありません。
D(4点)


(4)清潔レベル

写真により整頓状態を目で確認できるようになったことで、
物の乱れにも気づきやすくなっています。
ただし、ロッカーの中身が変更された際に写真が古いままだと
逆に混乱を招く可能性があり、更新ルールがなければ
再発リスクも残ります。
「何かのきっかけで再発する改善」と評価します。
C(8点)


(5)習慣(しつけ)レベル

写真の掲示は有効な整頓補助ですが、
定期的に更新するルールや
配置変更時の対応がなければ、
維持が難しくなるため、
「徹底すべきルールを設定した改善」と評価します。
C(8点)


合計点数

12(成果) + 4(独自性) + 4(難易度) + 8(清潔) + 8(習慣) = 36点


5Sレベル:C(31~45点)


評価まとめ

今回の改善は、「探すムダ」を視覚的に解決した良い整頓改善であり、
非常に実用的で効果が見えやすい内容でした。
ただし、独自性や維持管理の仕組みが不足している点
評価を抑える要因となりました。


今後の改善ポイント

✅ 配置変更時に写真を更新するルールを決める
✅ ロッカー内の定位置管理(テープやラベル)と併用する
✅ 整頓状態の点検項目を定期的に確認する仕組みを導入する


この改善をきっかけに、「整っている状態を維持する仕組みづくり」へと
ステップアップされることを期待しています。
次回の改善報告も楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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