5S改善事例:バリ取り方法変更による作業時間の短縮

【結果/効果】

(なにが)
バリを取る時間のムダが。
(どうなった)
ハンドリーマを2回転させる事により
早くバリを取る事ができた。
1日平均で570秒短縮×20日
1カ月あたり:11,400秒削減(11,400円削減)

【専門家コメント】

バリ取り作業において、従来の手法では
ハンドリーマーの回転が不十分で、
作業に時間がかかっていた状態から、
「2回転させる」という新たな作業方法に変更したことで
一度で確実にバリが取れるようになった改善ですね。

この改善により、作業時間の大幅な短縮だけでなく、
仕上がりのバラつきが減り、品質向上にもつながっており、
非常に効果的かつ実践的な作業手順の見直しです。
まずはこの作業のムダと品質面に着目し、
改善してくれたことに感謝します。

次の視点としては、この新しい方法を
「誰がやっても同じようにできるか?」という点です。

例えば「2回転」の基準や、材質による微調整ルール、
指導時のチェックリストなどを用意すれば、
しつけ・標準化レベルへと進化できます。

5S活動では、やり方の最適化を「仕組み」に落とし込むことが
次のステップです。ぜひ取り組んでみてください!

次回の改善報告も楽しみにしています。

以下に、今回の「ハンドリーマーを2回転させる作業方法に変更し、バリ取りの効率化と品質向上を実現した改善」について、ご提示いただいた評価基準と記述表現に忠実に、かつ厳しめの視点で評価を行います。


(1)成果の大きさ

ハンドリーマーを2回転させる手法に変更したことで、
従来よりも短時間でバリが除去できるようになり、
作業時間の短縮に加えて、仕上がり品質も安定しました。
ただし、対象は一部工程に限定されており、
生産性やコスト全体への波及効果は限定的なため、
「満足のいく成果である改善」と評価します。
B(12点)


(2)改善の独自性

使用する道具はそのままに、
「2回転させる」という簡単かつ効果的な作業方法の工夫は
着眼点として優れており、
一定の発想力が感じられる改善です。
ただし、同様の工夫は他の手作業にも応用されており、
突出した独自性があるとは言えないため、
「標準的に発想ができる改善」と評価します。
B(12点)


(3)改善の難易度

作業方法を変えるだけで、道具の変更や加工はなく、
特別な準備や作業時間も必要としないため、
「数分でできた改善」と評価します。
D(4点)


(4)清潔レベル

バリ取りの仕上がりが安定することで、
後工程の不良や再加工、再清掃の発生を抑制できる点は
未然防止の観点で一定の効果があります。
ただし、作業者によって差が出る可能性があるため、
「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価します。
B(12点)


(5)習慣(しつけ)レベル

新しい作業手順として「2回転させる」方法が明確になったとはいえ、
それを誰もが守る標準手順として定着させる仕組み(マニュアル化・教育)が
まだ導入されていないとすれば、
「徹底すべきルールを設定した改善」と評価します。
C(8点)


合計点数

12(成果) + 12(独自性) + 4(難易度) + 12(清潔) + 8(習慣) = 48点


5Sレベル:B(46~65点)


評価まとめ

今回の改善は、シンプルで効果の高い作業手順の見直しによって、
作業時間と品質の両面を改善した点が非常に有効でした。
ただし、標準化・習慣化の仕組みが未整備な点が
評価を抑える要因となりました。


今後の改善ポイント

✅ この手順を標準作業書やマニュアルに明記する
✅ 教育時に「2回転ルール」を明確に伝える仕組みを導入する
✅ 他のバリ取り作業にも同様の視点で展開できないか検討する


こうした「やり方の工夫」による改善は、
現場力向上に直結する大切な取り組みです。
次の改善報告も楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次