5S改善事例:品番表示統一で時短・誤使用防止

【結果/効果】

(なにが)
時間短縮と間違い防止
(どうなった)
1回3秒の短縮
月に3回×3秒=9秒
年に108円の削減

【専門家コメント】

類似ビスが混在し、確認に時間がかかっていた状態を、
入荷箱と小分け容器の両方に品番・種類表示をつけて
誰が見てもすぐに判断できるようにした改善ですね!

このような“作業中のムダ時間”に着目し、
表示を工夫してわかりやすくするというのは、
整頓の基本でありながら非常に重要なポイントです。
まずはこの問題に気づき、改善してくれたことに感謝します。

ただし、今後の再混在を防ぐためには、
例えば「補充時に表示があるかを確認する仕組み」や
「誰が見ても種類を間違えない配置ルール」など、
さらに一歩踏み込んだ清潔・しつけの仕組みづくりが
大切になってくると思います。

ぜひ次の改善では、今回の表示改善をベースに、
“間違えようがない仕組み”をつくる方向で
チャレンジしてみてください!

あなたの次なる改善報告も楽しみにしています!

以下に、今回の「類似ビスの混在を防ぐために、入荷箱と小分け容器の両方に品番・種類表示を行った改善」について、ご提示いただいた評価表現に忠実に、かつ厳しめの視点で評価を行います。


(1)成果の大きさ

類似ビスの混在により発生していた確認作業の手間を削減し、
作業効率の向上に貢献した点は評価できます。
また、誤出荷や誤使用といった品質リスクの低減にもつながる
改善である点もプラス要素です。
ただし、生産性向上やコスト削減のインパクトは
工程全体に対しては限定的であるため、
「満足のいく成果である改善」と評価します。
B(12点)


(2)改善の独自性

入荷箱と小分け容器の両方に品番・種類を表示するという方法は、
整頓の基本として広く用いられている手法です。
特に困難な発想や特別な工夫が求められる内容ではなく、
同様の取り組みは多くの現場で見られるため、
「よく似たタイプが多い改善」と評価します。
C(8点)


(3)改善の難易度

表示を作成して貼り付ける作業は、
特別な工具や時間を必要とせず、
30分以内で完了する内容であると推定されます。
C(8点)


(4)清潔レベル

品番や種類を明示したことで、
一時的に混在を防止する効果はありますが、
表示が剥がれたり、補充時に間違えたりといった要因により
再発する可能性も否定できません。
「何かのきっかけで再発する改善」と評価します。
C(8点)


(5)習慣(しつけ)レベル

表示を貼るという単発的な対応に留まっており、
標準作業に組み込む、チェックルールを設けるなどの
継続的な管理の仕組みが導入されていないため、
「徹底すべきルールを設定した改善」と評価します。
C(8点)


合計点数

12(成果) + 8(独自性) + 8(難易度) + 8(清潔) + 8(習慣) = 44点


5Sレベル:C(31~45点)


評価まとめ

今回の改善は「類似品によるムダ・ミスを防ぐ」
という視点でとても重要な着眼でしたが、
表示という一時的な対応にとどまっている点
やや惜しいところです。
今後は「表示が機能し続ける仕組み」や、
「補充・運用時のチェック方法」などの対策を追加すれば、
より上位レベルの改善になると期待できます。


今後の改善ポイント

✅ 表示が正しい状態かどうかの点検ルールをつくる
✅ ビスの置き場所や形状ごとに色分けや配置ルールを設ける
✅ 補充時に確認すべきチェックリストを導入する


次の改善報告では、表示に加えた「運用ルール」や「管理仕組み」が
含まれてくることを楽しみにしています!

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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