位置決め(移動距離短縮)

【結果/効果】

(なにが)
配線がわかりやすくなった
(どうなった)
配線〈切り替え時間〉が短縮になった
1回に付、10秒が0秒になった

【専門家コメント】

配線に明示がなく
どの配線がどのボタンに対応しているのか
判断が困難な状態だったのを、
ボタンと配線を同じ色でカラーコーディングし、
視覚的に対応関係が一目で分かるようにすることで、
配線の切り替え作業が不要となり、
確認時間をなくした改善ですね!

シンプルながら、作業の手間と時間を削減し、
ミスの防止にもつながる素晴らしい改善です。
ありがとうございました!

しかし、この改善は本当に「再発しない」状態になっているでしょうか?

例えば、

  • 新しい配線を追加したとき、カラーコーディングのルールは守られるのか?
  • 経年劣化や汚れで色が見えにくくなったときの対策はあるか?
  • 誰が管理し、どのタイミングでチェックするのか明確になっているか?

このままだと、時間が経つにつれて管理が曖昧になり、
せっかくの改善も徐々に崩れてしまう可能性があります。

次のステップとして、「維持と標準化」 に取り組んでみてください!
例えば、

  • 新たに配線を追加する際のルールを決める(色の統一基準を文書化)
  • 色が薄くなったり、剥がれたりした場合の定期点検と補修のルールを作る
  • 作業手順書や配線図に反映し、誰でも確認できる状態にする

このように、改善を「持続できる仕組み」にすることが重要です。

次回の改善報告では、「どう維持するか」まで踏み込んだ取り組みを期待しています!

目次

5Sレベルの評価

今回の改善を、5Sレベル評価でしっかり見ていきます。


(1)成果の大きさ

配線とボタンの対応が一目で分かることで、確認作業の時間が削減され、
配線ミスも防止できるのは大きなメリットです。
ただし、生産性そのものを劇的に向上させるわけではなく、
影響範囲も限定的なため「満足のいく成果」と評価します。
B(12点)

(2)改善の独自性

カラーコーディングによる識別の明確化は、他の現場でもよく使われる手法であり、
特に斬新なアイデアではありません。
誰でも思いつくレベルの改善と考え、「よく似たタイプが多い改善」と評価します。
C(8点)

(3)改善の難易度

配線とボタンの色を合わせる作業自体は特別な技術を必要とせず、
短時間で完了できる可能性が高いです。
したがって、「そんなに時間をかけない改善」と評価します。
C(8点)

(4)清潔レベル

今回の改善は視認性を向上させるものであり、
配線の乱れや経年劣化による色落ちなどの課題が考えられます。
再発を完全に防げる状態には至っていないため、
「何かのきっかけで再発する改善」と評価します。
C(8点)

(5)習慣(しつけ)レベル

改善自体は良いものの、新規配線の追加時にこのルールが維持されるかが不明です。
また、定期的な点検や補修ルールがなければ、
時間が経つにつれて色が薄れたり、間違いが発生する可能性があります。
ルールの標準化が不十分なため、「習慣化を促さない単発的な改善」と評価します。
D(4点)


合計点数:

12(成果) + 8(独自性) + 8(難易度) + 8(清潔) + 4(習慣) = 40点

5Sレベル:C(31~45点)

この改善は 「一時的に便利にはなるが、長期的な維持が難しい改善」 です。
カラーコーディングを導入しただけでは、
新しい配線が追加されたり、色が劣化した際に混乱が生じる可能性があります。

本当に良い改善にするためには、維持管理の仕組みが必須です!

今後の課題として、
配線の追加時にルールを適用するための標準化(作業手順書や基準書の作成)
色落ちや汚れに対応する点検ルール(定期点検や管理者の設定)
色が見えにくくなったときの補修計画(テープの貼り替えやタグの使用)

こういった「維持と標準化の仕組み」を導入することで、
BレベルやAレベルの改善に引き上げることができます。

今回の改善を活かし、次のレベルへ進化させる取り組みを期待しています!
次の改善報告を楽しみにしています。

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。13年間で700社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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